物販の実務
厚さ3cmを1mm超えると、送料は210円から520円になります
2026-09-15
仕入れるときに「これはネコポスで送れる」と考えて採算を組み、いざ梱包したら厚さが3cmを超えていた。
物販を続けていれば必ず起きます。このとき起きているのは「ちょっと送料が高くなった」ではありません。採算の前提が崩れています。
配送方法と送料の一覧
まず数字を置きます。
らくらくメルカリ便(ヤマト運輸)
| 配送方法 | 送料 | 目安 |
|---|---|---|
| ネコポス | 210円 | 3辺60cm・長辺34cm・厚さ3cm・1kg以内 |
| 宅急便コンパクト | 520円(専用BOX70円込み) | 厚さ3〜5cm |
| 宅急便 60サイズ | 750円 | |
| 宅急便 80サイズ | 850円 | |
| 宅急便 100サイズ | 1,050円 |
ゆうゆうメルカリ便(日本郵便)
| 配送方法 | 送料 | 目安 |
|---|---|---|
| ゆうパケットポスト | 215円 | 専用シール/箱が別途必要 |
| ゆうパケット | 230円 | 厚さ3cm以内 |
| ゆうパケットプラス | 520円(BOX代込み) | 厚さ7cmまで |
| ゆうパック 60サイズ | 770円 | |
| ゆうパック 80サイズ | 870円 | |
| ゆうパック 100サイズ | 1,070円 |
外部情報:メルカリ公式コラムの送料一覧(記事更新日 2026年2月5日)より。全国一律・税込。 料金は改定されます。使う前に必ず公式でご確認ください。
210円 → 520円 が、売価にいくら効くか
厚さ3cmを超えてネコポスが使えなくなると、宅急便コンパクトで +310円 です。
この310円は、そのぶん利益が減るだけではありません。赤字にならない売価そのものが上がります。
仕入1,000円・梱包30円・メルカリ(手数料10%)で計算します。
| 送料210円 | 送料520円 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 原価の合計 | 1,240円 | 1,550円 | +310円 |
| 損益分岐点の売価 | 1,378円 | 1,723円 | +345円 |
| 利益率20%を確保する売価 | 1,772円 | 2,215円 | +443円 |
310円しか増えていないのに、下限は345円、目標ラインは443円も動きます。
理由は損益分岐点の計算式にあります。原価は「足す」のではなく「(1 − 手数料率)で割る」ので、原価の増分は手数料のぶんだけ増幅されるからです。
つまり「思っていた発送方法が使えなかった」1件は、310円の損ではなく、345円ぶん売価を上げ直さないと元の採算に戻らないということです。すでに出品して価格を下げている最中なら、その商品はもう想定していた利益になりません。
見落としやすい3つ
1. 専用BOX代は送料と別建て
宅急便コンパクトの表示運賃は450円ですが、専用BOXが70円かかるので実質520円です。ゆうパケットプラスも同様にBOX代込みで520円。運賃だけを表に書いて計算すると、1件あたり70円ずつ足りません。
月50件なら3,500円です。
2. 厚さは「梱包後」で決まる
商品そのものが2.5cmでも、プチプチで包んで封筒に入れれば3cmを超えます。規格ぎりぎりの商品は、梱包材の厚みを込みで見積もる必要があります。
仕入時点で「たぶんネコポス」と判断したものが、実際には半分くらい入らない、というのはよくあります。
3. 採算は「実際に使う発送方法」で組む
最安の方法で採算を組むと、それが使えなかった瞬間に赤字になります。規格ぎりぎりの商品は、一段上の発送方法で採算が合うかを先に確認しておくと、判断がぶれません。
上の例なら、「宅急便コンパクト520円でも利益が残る売価か」を仕入の時点で見ておく、ということです。
発送方法を変えたら、下限も引き直す
ここまでの話は、発送方法が変わるたびに損益分岐点を計算し直す必要がある、ということでもあります。
出品中の在庫が数件なら手でやれます。ただ、実際には仕入れるたびに商品が増え、値下げ交渉のたびに下限を確認することになります。
出品日・販路・仕入単価・送料を入れるだけで、1件ごとの損益分岐点売価と目標ラインの売価を自動で出すシートを用意しています。送料を書き換えれば、その場で下限が引き直されます。手数料率と固定手数料も編集できるので、改定が来ても1か所直すだけです。
出典
- メルカリ Column「メルカリ送料一覧」(記事更新日 2026年2月5日)https://jp-news.mercari.com/contents/1882