物販の実務
フリマ・EC 7販路の手数料を比較する(2026年9月時点)
2026-09-13
同じ商品を同じ値段で売っても、どこで売るかで手元に残る額は変わります。まずは一覧から。
販売手数料の一覧
| 販路 | 販売手数料 | 一律か |
|---|---|---|
| メルカリ | 10% | 一律 |
| ラクマ | 4.5〜10% | 実績により6段階 |
| ヤフオク | 10% | 一律 |
| Yahoo!フリマ | 5% | ほぼ一律 |
| Amazon | 概ね5〜15.4% | カテゴリ別 |
| BASE | 3.6% + 40円 + サービス利用料3% | 決済手段により変動 |
| STORES | 5.5%〜(フリープラン) | プランによる |
率だけ並べると Yahoo!フリマ が最安に見えます。でもこの表を鵜呑みにすると、3か所で間違えます。
間違え方1:一律ではない販路がある
ラクマは一律10%ではありません。前月の販売実績に応じて 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 4.5% の6段階に変わります。実績が積み上がっている人と、始めたばかりの人とでは、同じ商品でも手取りが倍以上違う場合があります。
Amazonはもっと厄介です。カテゴリごとに率が違い、概ね5%から15.4%まで開きがあります。さらにメディア商品(本・DVD・ミュージック・PCソフト・ビデオ)には、率とは別にカテゴリー成約料がかかります。
つまり「Amazonは10%」と書いてあるツールや記事は、あなたのカテゴリについては何も言っていません。
間違え方2:率に現れない固定費がある
率は売価に比例しますが、比例しない費用もあります。これが効きます。
BASEのスタンダードプランは、決済手数料が 3.6% + 40円、これにサービス利用料3%が乗ります。合計すると実質 6.6% + 40円 です。この「+40円」は売価がいくらでも40円です。単価500円の商品なら、40円は売価の8%に相当します。率だけ見て「6.6%」と思っていると、低単価商品で大きく外します。
送料にも同じ構造があります。たとえばらくらくメルカリ便の宅急便コンパクトは450円ですが、専用BOX代70円が別途かかります。実質は520円です。450円で採算を組んでいると、1件あたり70円ずつ削られ続けます。
率に比例しない費用は、単価が低いほど致命的になる。
間違え方3:送料と梱包費のほうが効くことがある
売価3,980円・仕入1,200円の商品で考えます。
| 販路 | 販売手数料 | 手取り | 送料210・梱包50を引いた粗利 |
|---|---|---|---|
| Yahoo!フリマ(5%) | 199円 | 3,781円 | 2,321円 |
| STORES(5.5%) | 219円 | 3,761円 | 2,301円 |
| BASE(6.6%+40円) | 303円 | 3,677円 | 2,217円 |
| メルカリ(10%) | 398円 | 3,582円 | 2,122円 |
最安と最高の差は199円です。一方で、送料をネコポス(210円)から宅急便60サイズ(750円)に変えると、それだけで540円動きます。
販路選びより、梱包を1サイズ落とすほうが効く場面がある。 手数料表だけ見ていると、この比較ができません。
送料の実額(メルカリ便・2026年2月時点)
| 配送方法 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|
| ネコポス | 210円 | 3辺60cm以内・1kg以内 |
| ゆうパケット | 230円 | 3辺60cm以内・1kg以内 |
| ゆうパケットポスト | 215円 | 専用箱は+65円、発送用シールなら+20円程度 |
| 宅急便コンパクト | 450円 | +専用BOX 70円 |
| 宅急便60サイズ | 750円 | 2kg以内 |
| ゆうパック60サイズ | 770円 | |
| 宅急便80サイズ | 850円 | 5kg以内 |
| 宅急便100サイズ | 1,050円 | 10kg以内 |
宅急便コンパクト(450+70=520円)と宅急便60サイズ(750円)の差は230円です。ここに収まるかどうかで採算が変わるので、梱包設計は手数料より優先して考える価値があります。
手数料は改定される
直近2年で、実際にこれだけ動いています。
- 2024年6月4日 … ヤフオクの落札システム利用料が、会員種別を問わず一律10%に改定。以前あった「プレミアム会員は8.8%」という条件はなくなりました
- 2026年4月1日 … Amazonの販売手数料率を改定。1点750円を超える商品で全カテゴリ一律 +0.4%。同日、FBA配送代行手数料は標準サイズの一部が引き下げ
- 2026年5月19日 … Yahoo!フリマの新規出品者向け優遇が入れ替わり。旧制度(2022年2月9日〜2026年5月18日に初出品した人は手数料0%)は5月18日で終了し、初出品から30日以内に3個売れると、達成翌日から90日間・最大50個まで0%という新制度に移行しました
つまり、手数料を固定値で覚えているツールや記事は、改定の日から静かに間違った数字を出し続けます。ネット上の「手数料まとめ」記事の多くが、いまだにヤフオクを8.8%と書いているのはそのためです。
自分で数値を更新できるものを使ってください。 これは道具選びの基準として、率の安さより重要です。
結局どう選ぶか
手数料だけでは決まりません。売れる速さと合わせて考えます。
- 早く現金化したい … メルカリ。率は10%と高いほうですが、流通量が最も多く回転が速い
- 手数料を抑えたい … Yahoo!フリマ(5%)。ただし売れる速さはメルカリに劣ります
- 実績が積み上がっている … ラクマ。条件を満たせば4.5%まで下がります
- 自分のブランドで売る … BASE / STORES。低単価だと固定費が重いので、単価を上げてから
- 単価が高く在庫回転が必要 … Amazon。ただしカテゴリ率とFBA費用を必ず自分で確認すること
手数料の安い販路に移して1か月売れ残るより、10%払って3日で売れたほうが資金効率は良い、という場面は普通にあります。率は判断材料の1つでしかありません。
自分の条件で計算する
ここまでの話を全部踏まえて計算できるツールを、無料で公開しています。売価と仕入値を入れると7販路の粗利を同時に比較でき、手数料率は表の中で直接書き換えられます。ラクマの段階もAmazonのカテゴリ率も、自分の実際の条件に直して使ってください。
確認日と免責
本記事の手数料は 2026年9月15日 に各社の公開情報で再確認したものです。送料はメルカリ公式コラム(2026年2月5日更新)に基づきます。改定される可能性があるため、実際の適用条件は必ずご自身でご確認ください。
本記事は記録と計算の考え方をまとめたものであり、税務・投資に関する助言ではありません。